ホジュン～伝説の心医～64話のあらすじネタバレをみていきます。
王は、他に世子の治療法がない、とジュンに聞くと、やむなくヒ素の使用を許可する。
しかし、ジュンが世子の治療にヒ素を使用している、との噂はまたたく間に広がってしまう。
大半の者は懐疑的だったが、中にはジュンなら治せるのではないか、と考える者もいた。
それは皮肉なことに、吏曹判書を中心とする永昌大君（ヨンチャンテグン）派の者たちだったのである。
ホジュン～伝説の心医～64話あらすじネタバレ
ジュンは、世子が病床で苦しむ姿を見て、世子たちを託された時の恭嬪の言葉を思い出した。
“王子たちを頼む。医官として病を治すだけでなく、一人の人間として王子たちを支えてほしい“
高熱に苦しんでいる世子の手を取ったジュンは、こう願いを口にした。
「世子様。早く治ってください。
ヒ素の毒が世子様を苦しめていることを、誰よりも存じております。
ですが、打ち勝つのです。
打ち勝たねば命は助かりません。
世子様が私を信じて薬を飲まれたように、私も世子様を信じています。
病に打ち勝つ強い意志を持っておられると信じています。
世子様。もう少し・・・もう少し耐えてください。
打ち勝つのです」
吏曹判書からジュンに呼び出しがあった。
そこには、ゴンニャンと都提調も同席していたのである。
吏曹判書の言葉を聞きなおすと、ジュンには思ってもいない言葉が返ってきた。
吏曹判書は、ジュンに
「意味ならよく分かっているはずだ。
だからヒ素を使ったのだろう？
事を成功させてくれたら、我々が守ってやる」
と言うが、ジュンは
「言葉を慎んでください！
臣下としてあるまじき発言です。
材料のヒ素は毒ではなくて薬です」
と言い切り、立ち上がると、憤然とこう言って退出した。
「世子様は治ります。何としても、私が世子様を治してみせます！」
・・・思惑通りにジュンが動いてくれている、と信じていた３人はしばらく茫然としていた。
吏曹判書は、心配する２人にこう言う。
「いや、まだ機会はある。
御医はヒ素の湯薬を投与し続けている。
湯薬に、ほんの少しヒ素を足せば、それはまさに毒になる」
ゴンニャンの動きは早かった。
ソヒョンが拉致されて脅されたのである。
「お前の両親を預かった。言うことを聞かなければ両親を殺す」
吏曹判書の手の者による再三の催促にもかかわらず、ソヒョンは動かなかった。
医女であるソヒョンには、毒殺などできようはずがなかったのだ。
業を煮やしたゴンニャンは、手下に直接湯薬にヒ素を入れるよう指示する。
ドジが知らずに持っていった湯薬は、まさに毒薬だった。
そのころ、世子が意識を取り戻し、熱も下がっていた。
世子はささやくように、しかしきっぱりと言う。
「そなたが言ったではないか。あの薬を飲めば治ると・・・」
ソヒョンは、ジュンとドジに打ち明けた。
両親が捕えられていること、最後にドジが運んだ湯薬にヒ素が増量されていたことも。
ドジが、ソヒョンを詰問する。
「なぜ早く言わなかった。世子様が飲んでいたら・・・」
ジュンはドジの言葉を遮り
「親を人質に取られてては、判断が鈍っても無理はない」
永昌大君（ヨンチャンテグン）派の仕業だろうと推測はついたが、証拠はない。
ジュンは２人に口止めをして、捕盗庁に向かった。
チョンスは昇進して、捕盗大将（ポドデジャン）になっていた。
部下２人を率いたチョンスは、ソヒョンが拉致された隠れ家を急襲する。
ソヒョンの両親は救出されたが、黒幕は分からなかった。
ジュンは例の方々では、と聞いたが、チョンスは政争に発展する可能性があるから憶測で尋問はできない、と回答する。
・・・今度は、王が倒れてしまう。
王は意識不明の重体だった。
政務が滞り、ソンは重臣たちの会議で、王に代わって政務を執れないか、世子に相談すると言う。
ソンが世子に相談するが、世子は断った。
「事情は分かるが引き受けられん。
御医が父上を懸命に治療しているそうだ。
父上は回復するから、心配無用だ」
ソンが、
「世子様は先の戦争でも政務を代行なさいました」
と食い下がるが、世子はきっぱりと拒否する。
「父上の許しなく、国政を執るつもりはない・・・」
王が意識を取り戻した、という知らせがジュンに入った。
駆け付けると、王は起き上がって永昌大君を膝の上であやしている。
診察が終わると、王は何かを悟ったかのように、ジュンにこう言った。
「長く患った者でも、死期が迫るとほんの一時、元気を取り戻すそうだ。
やり残したことを片づけろという意味だろう」
ジュンが、王様、と気づかうが、王は笑いながらこう言った。
「そう心配するな。幼い永昌を残して、簡単に逝くわけにはいかん」
テウンが深夜にジュンの屋敷の門を叩く。
「王様が危篤です！」
テウンとともに王宮に駆け付けると、ドジが鍼を打とうとしていた。
ジュンがドジに、何があった、と聞くと、ドジは
「急に腹痛を訴え、嘔吐を」
と答える。
ジュンは至密尚宮（チミルサングン、王の最高位の侍女）を呼び、ジュンが指定した物以外に何か食べなかったか、と聞く。
至密尚宮は、こう言った。
「お菓子をご所望になったので、お持ちしました」
ジュンが、至密尚宮に怒鳴る。
「許可した物以外、出すなと命じたはずだ！」
至密尚宮は、ですが王様が・・・と口ごもった。
ゴンニャンは妹の仁嬪に、王が意識不明で危険な状態だと報告したうえで、
「世子が王座に就いたら我々の命も危うくなります。
チョン大監（吏曹判書のこと）と策を講じていますのでお待ちを」
と、伝えた。
しかし仁嬪は「無駄なことです」と言う。
ゴンニャンが
「あきらめてはなりません。
永昌大君が即位すればいいのです。
必ずそうしてみせます」
と説くが、仁嬪は既に悟ったように、こう言った。
「いくらあがいても、道理には逆らえません。
欲を捨てれば楽になります」
王が意識を取り戻し、どちらの派閥も王からの後継者に関する遺言を求めに王宮へ向かう。
先に着いたのは、世子派のソンたちだった。
ジュンは安静が必要だとソンに言い、ソンたちは諦めて退去する。
次に来たのは、吏曹判書とゴンニャンだった。
ジュンが同じように面会を拒否したが、吏曹判書は引き下がらない。
ゴンニャンがジュンの持っていた湯薬の盆を払い落とし、２人は強引に宮殿の中に入った。
部屋の前にジュンが仁王立ちになり、２人を止めたが吏曹判書が部屋の中に向かい、王に大声で拝謁を求める。
医女のセヒが王を助け起こし、王は謁見を許した。
感想
世子の、そなたがいったではないか、あの薬を飲めば治ると、の言葉には涙があふれました。
それにしても、とうとうあの仁嬪も達観したのですね。
「欲を捨てれば楽になる」
恭嬪様が、死期を悟ったあの時の。執着を捨てれば楽になる、その境地に達したのでしょう。
仮に世子が廃位されて、永昌大君が即位したとしても、姻戚のいない大君の場合、誰かが後ろ盾になるしかありません。
それだったら重臣の力関係しかないのに、吏曹判書もゴンニャンも愚かですね。
まさに、欲を捨てれば楽になる、というところでしょうか。
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まとめ
王の容体が急を要する、とのことで、病床に駆け付けた吏曹判書たちの願いはかなうのか。
王が亡くなった場合、御医であるジュンは死罪は免れないという、ジュンの運命は？
次回、派閥間の闘争に、ついに決着か！
