ホジュン～伝説の心医～59話のあらすじネタバレをみていきます。
王は義州まで避難し、世子は平壌城を死守することになった。
ジュンは王に随行するようヤンに命じられていたが、王はジュンを平壌城に留め、ドジを侍医として随行させる。
しかし、ドジは信城君の病状を見極められず、医書を探したが義州には持ってきていなかった。
一方、ジュンは医書を守り通したがために、息子のギョムとの間に不和が生じてしまう。
ホジュン～伝説の心医～59話あらすじネタバレ
「容体は？」
王が信城君の病室に入るなり、ドジに聞いた。
ドジは返事できない。
王は「どうなのだ！」と大声を上げた。
ドジは顔面蒼白になり
「亡くなりました」
と、弱々しい声で答える。
一瞬のち、仁嬪が信城君の亡骸を抱き締めた。
王もそばに座り信城君を覗き込む。
仁嬪はドジに命令する。
「いいえ、そんなはずはないわ。脈を診て」
しかし、ドジは動けない。
たまらず、仁嬪が「もう一度、脈を診るのよ！」と叫んだ。
ドジはひざまずき、
「仁嬪様。どうか私を死罪に」
と言うしかなかった。
仁嬪が大声で
「信城君！駄目よ、逝かないで。
母を置いて逝かないで・・・」
と、泣き叫ぶなか、王はそっと信城君の頬にふれる。
王の目からも涙がこぼれ落ちた。
王も仁嬪も、どうか私を死罪に、と繰り返すドジに向かい、睨みつけるのであった・・・。
サンファが目を覚ました。
起き上がって、煎じ薬を飲み干す。
ジュンが、何があった、と聞くとサンファが話し出した。
「撃たれたことしか覚えていません。
目が覚めたら船着き場で倒れてました。
弾は急所を外れていたんです。
その後は平壌城を目指してひたすら歩きました。」
ジュンが「大変だったな」とサンファをねぎらう。
イェジンも
「私たちの身代わりをさせてしまったかと」
と、胸の内を語った。
サンファは照れ笑いを浮かべながらこう言った。
「昔、命を救ってもらった恩返しをしただけです・・・」
倭国が再び攻撃を始めた。
今度は城壁にまで上る敵も出てくるほどの激しさである。
戦いの最中、ギョムが撃たれてしまい、ドルセがおぶって、ジュンのもとへ運び込んだ。
ギョム、しっかりしろ、と声をかけながら、ジュンは必死でギョムの治療を行う。
ギョムの治療を終えたところで、ジュンは世子からの呼び出しを受ける。
ジュンが世子に会いに行くと、世子は深刻な顔をしていた。
ジュンが
「世子様。何か問題でも？」
と尋ねると、世子は重々しく言う。
「信城君が死んだ」
そして気を取り直し、ジュンにこう命じた。
「すぐに義州へいけ。父上も重体だそうだ」
ジュンはギョムが負傷した今、家族にどう話そうかと迷っていた。
ギョムの言葉がよみがえる。
“父上にとって家族とは何ですか”
“赤の他人も同然ですか”
“都が大混乱に陥る中、父上を待っていました”
“なのに父上は家に戻らなかった”
“自分の仕事よりもまず家族の安全を守るべきです”
“いつもそうでした。私が子供のころからずっとです”
“父上は家族よりも仕事がすべてでした”
“お祖母さまと母上がどんなに苦労したか考えたことが？”
ジュンがギョムのもとに行くと、ジュンの母が、
「ギョムの怪我はどうなの？」
と聞く。
ジュンが
「命に別条はないのでご安心を」
と答えると、ジュンの母にも、ダヒにも、ほっとした空気が流れた。
しかしジュンの次の言葉に凍りつく。
「ギョム。お前をまた失望させそうだ。
義州へ向かうことになった。
義州にいる王様が重体だとの知らせが届いた。
王様の健康を守るのが私の務めだ」
ジュンの母が、
「ジュン。でもギョムも怪我を・・・」
と訴え、ダヒも「あなた」と、すがるように声を出す。
しばし沈黙の時が流れ、ついにギョムがこう言った。
「父上。私の心配はせず行ってください。
父上は、誰にも負けない仕事をしていると信じています。
行ってください。そして、王様の治療をしてください」
ジュンはギョムの手を取った。
ギョムは、ジュンをしっかり見上げ話した。
「もう父上を恨みません。
私なら大丈夫です。
どうぞ行ってください・・・」
ジュンはオグン、イェジンとともに、夜間に敵中突破をしようとしたが、護衛はわずか２名しか付かなかった。
大きな荷物をかかえたオグンは石につまずき、そのため敵に発見されてしまう。
護衛が囮となり３人を逃がそうとしたが、敵の発砲によりジュンが右手に怪我を負った。
ただどうにか、かすり傷で済んだ。
義州にたどりついたジュンは、王の診察を始める。
王は、気血の両方が不足していて危険な状態にあり、ジュンは鍼治療を始める前に湯薬での治療を指示した。
その打ち合わせが終わった時、ジュンはドジがどうなったかをテウンに尋ねる。
ドジは信城君の件が原因で投獄されているとのことだった。
ジュンが物思いにふけりながら歩いていると、オグンが飛んできて、王の治療に使用する生薬が不足していると言う。
ジュンとオグンは薬草を採りに山に入り、テウンには義州の薬草問屋を回らせた。
そんな時、ジュンの部屋に、オグンがあのジャンセとヨンダルを連れて入ってくる。
２人は誰もいなくなった王宮の倉庫から生薬を盗みだし、売り払って大儲けをしていたのだった。
さらには投資のため、明の貴重な生薬を買っていたと言い、ジュンに箱を差し出す。
ジュンがそれを開けてみたところ、沈香が入っていたのだ！
ジュンは驚き、
「沈香は気の流れをよくし、邪気を払う。
王様の治療に大いに役に立つだろう」
と言い、２人に感謝した。
ジュンは、領議政（ヨンイジョン）とソンに、明日の早朝から鍼治療を始めたいと申し出る。
ソンは
「王様の命と国の運命が、そなたにかかっている。頼んだぞ」
と言い、ジュンも承った。
ジュンは、上席の領議政のほうに向きなおり、こう話す。
「鍼は、ユ内医正（ネイジョン）に任せるつもりです」
「何ですって！」
ジュンの話に仁嬪が驚いた。
ジュンは淡々と話す。
「誠に恐れながら、義州へ来る途中、右腕を負傷いたしまして、鍼を刺すことができないのです。
ユ内医正にさせてください」
仁嬪が「駄目よ」と言い、仁嬪の兄ゴンニャンも
「信城君を殺した男だ。
王様の治療など任せられん」
と反対した。
しかし、ジュンは断固として反論する。
「仁嬪様。過ちを犯しましたが、ユ内医正は優秀な医官です。
今、王様を治せるのは（義州で）ユ内医正だけなのです」
ジュンの治療とドジの鍼が効いたおかげで、王が起き上がれるほどに回復した！
王は、
「もう安心してもよいか？」
とジュンに尋ねる。
ジュンは
「養生に務めて体調が戻れば、心配ないかと存じます」
と答えた。
王はご苦労だった、とジュンに言い、目を伏せて
「そなたの忠誠心を疑ってすまなかった」
と、謝罪する。
ジュンは、
「ご病気が回復したのも、ユ内医正が誠心誠意、鍼治療を行ったからです。
ユ内医正をお許しください」
と懇願した。
すると、王はこう言った。
「私は、信城君を死なせた責任を取らせるつもりだった。
だが御医に免じて許すことにしよう。
今後は より一層医術の向上に務めよ」
王の診療が終わると、ジュンとドジは外に出た。
ドジはジュンに声をかけると、ひざまずき、そして謝罪する。
「令監（ヨンガム、ジュンのこと）。お許しください」
ジュンがあわてて、お立ちに、と言ったが、ドジは
「いいえ。令監には、おわびの言葉もございません。
避難した時、王様から令監の消息を尋ねられ、私は令監が任務を放棄し逃亡したと、答えました」
ジュンがしゃがんで
「立ってください」
と言っても、ドジが立とうとしないので、ジュンも正座し、こう言った。
「ユ内医正に恨まれる原因を作ったのは私のほうです。
私のせいで、親子の縁を切らせてしまいました。
出世の妨げにもなりました。
ユ内医正が私のことを恨むのは、ある意味当然のことです。
私たちはお互いに、過去のわだかまりにとらわれ、無駄な労力を使っています。
残念なことです。
私への恨みのせいで、その優秀な腕を発揮できずにいるのは、もったいないことです。
さあ、立ってください」
そう言われ、ドジは涙ぐむのだった。
義州に、平壌城が陥落、世子は行方不明、他の２人の王子も倭軍に捕まったとの知らせが入る。
朝廷は動揺し、吏曹判書は明への逃亡を主張。
王は再び心痛で伏せってしまった。
しかし、世子が義州に現れ、明の援軍が到着し、水軍・義兵の活躍により、形勢は一気に逆転する。
行方知らずだったジュンの家族も、故郷の龍川に避難していることが分かった。
ジュンは、ヤンとともに王に謁見を願い出た。
「王様。医書を担いで漢陽から避難する途中、非業の死を遂げた大勢の民を見ました。
その大半は敵の手ではなく、病が原因でした。
治療も受けられず、無惨な姿で死んでいたのです。
彼らの霊を慰めるためにも、医書を編さんすべきと存じます。
今は 古くから伝わる医書や、明の医書が治療の指針になっています。
しかし、万民が手に取れる医書はありません。
じきに戦乱が収まり、都に戻るでしょう。
戻りましたら、我々、御医が中心となり、内医院で医書の編さんをしたいのです」
とのジュンの言葉に、王も賛同した。
「私もそれに賛成だ。後世まで役立つ医書を編さんせよ」
・・・漢陽。
内医院で、明と朝鮮の医書の分類を終えたジュンは、医官たちに医書の編さん方針を打ち出した。
病名と治療法だけで十分なのに、なぜ、内景と外形に分けるのか、との質問に、ジュンはこう答える。
「これまで数多くの患者を診察してきて、気づいたことがある。
病を治す医術よりも、病にかからぬための養生法が大切だということだ。
始めを内景と外形にしたのは、我々の体の構造を細部まで詳しく記すことによって、体の養生に役立てるためだ。
単に病とその治療法を教えるだけでなく、医術を体系的に記したいのだ」
医官たちは、ジュンの次のような言葉を胸に刻み、医書の編さん作業を開始した。
“無数の医書があるが、生かしきれてはいない。
未熟な医者は、全体像をつかめぬまま、自己流や昔のの治療法に固執し、患者の命を奪うこともある。
それを防ぐのも、医書を編さんする狙いだ。
明確な基準を設けて編さんを行わなければならない。
そして何よりも、生薬の研究が大事だ。
我々の体には 朝鮮の生薬が合うと確信している。
だが身近に生薬があっても、それを知らずに命を落とす民も多い。
貧しくて医者にかかれない民が読んでも、治療法が分かる医書にすること、それこそ、我々が挑戦する課題の一つだ“
感想
またしても、因果応報ですね。
ドジは、医書がないために治療に自信が持てず、救えたかもしれない信城君を救えず、牢に入れられてしまいます。
ドジが処罰されればいいのに、と私は想いましたが、かつてヤンがいみじくももらしたように、優秀な医官を育てるのは難しいですしね。
ただ、そんなドジに対するジュンの優しさは素晴らしいものでした。
そして、サンファの命が助かったこと、ギョムに医官の仕事を理解してもらえたこと、何より戦争が終結したこと、良かったですね。
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まとめ
戦争の終結により、治まりかけた朝廷内の政争が深刻化する。
一番の功労者としてジュンは正一品に昇格しようとしていたが、それを阻もうとする重臣の毒牙がジュンに向けられ・・・。
次回、イェジンの純愛が踏みにじられる！
