イ・サンってどんなドラマ?
韓国ドラマ「イ・サン」
このドラマは朝鮮王朝時代実在した王の波乱万丈の生涯を描いたもので「チャングムの誓い」や「トンイ」と同じく、韓国で脅威的な視聴率を誇った作品です。
この作品をご存じない方はどれぐらいいらっしゃるのでしょう?
もしまだの方がいらっしゃるなら、私はその方が羨ましい。
なぜって初めての方はあのドラマに出逢った感動をこれから味わえるのですから。
一度見始めたらどうなるか?
答えは簡単です。
きっと今の私のように何度も繰り返し視聴する未来が待っていることでしょう(*´∀`)
「イ・サン」は日本でも何度も放送されています。
チャンスが有れば是非、視聴してみて下さい。
では、いよいよドラマの振り返りを始めましょう。
ネタバレ満載になりますから、中身を知りたくない方は此処から先は、ご注意を!
第1話『三人の約束』
ドラマの始まりはとても華やかです。
色とりどりの衣装で身を包んだ踊り子たちが優雅な舞いを披露するのを檀上で眺める年老いた王様。
しかし一瞬後に事態は一変します。
演武を見せる為、登場した兵士たちが王様に鉄砲を向け弾を放ち始めたのです。
突然の反乱にその場は大混乱。
護衛の武官や内官(ネガン)そして女官たちが次々と犠牲になる中、王様は王妃と共に宴の場から逃げ出しました。
武官も内官も必死になって王様を守りますが包囲網は完璧でどうにもなりません。
追い詰められた王様は前にも後ろにも進めなくなり万事休すと思ったその時、一人の若い貴人が進み出ました。
その顔を見た王様はその目を大きく開かせます。
「…世子(セジャ)…」
何故、どうして息子が自分を襲うのか?
衝撃の中、王様は目を覚ましました。
…そう、全ては夢だったです。
華やかな宴も、鉄砲演武を装った反乱も現実ではありません。
では何故王様はこんな夢を見たのか?
実は、この王様は息子に謀反の疑いをかけていたのです。
この夢はそんな心の裡を表したものだったのでした。
感想
第一話の初っ端から、すごい展開ですね。
踊り子達の舞いでうっとりさせてから突然の鉄砲バンバンだなんて見ているこちらもドキドキしてしまいます。
ここで出てきた王様が、朝鮮王朝で有名な21代の王“英祖”。
ドラマ「トンイ」でいうと主人公トンイが産んだ息子にあたる方です。
「トンイ」を見た方はご存じでしょうがあれには利発で可愛らしい坊ちゃん王子が出てきます。
その子がこの「イ・サン」では、すっかりヨボヨボのおじいちゃんの王様になっちゃってるわけですね。
この人の息子の息子…、つまり孫であるイ・サンがドラマの主人公なのです。
サンの人生を語るには、まず父親であるサド世子(セジャ)の事を知る必要があるでしょう。
英祖の息子として生まれ王様の跡継ぎとなったサド世子と父親である英祖との関係が思わしくなかったこと…これがサンの人生を狂わせました。
ドラマ冒頭にあったように謀反を起こされる夢を見てしまうほど王様は疑心暗鬼に陥っていました。
そして悲劇が起こります。
朝鮮王朝史上でも有名な“米びつ事件”です。
なんと、英祖は我が子を謀反の罪に問い、米びつに閉じ込めてしまいました。
私は棺桶に入ったコトはないですがその方が何倍もマシではないでしょうか。
なんといっても米びつですよ“米びつ”。
そもそも人間が入ることなんて考えてない小さな箱です。
そこに入れて飲まず食わずで放置なんて事を実の親がさせたわけですが、当時の英祖はいったいどういう心境だったのでしょうか。
この事件は、後に英祖本人を含む多くの人の心を重く沈ませることになります。
無実の罪で閉じ込められ死に瀕する世子を見かね忠臣たちが、何とか救おうとしましたが王命によって全て殺されてしまいます。
僅かな隙間からそれを察した世子は飢えと渇きの中、泣き崩れました。
このあたりの描写が見ていてとても辛いです。
優れた為政者だった英祖ですがそれがゆえに孤独だったのでしょうか。不穏な空気の中、サド世子の息子イ・サン(子役)が登場します。
サンはまっすぐな気性を持つ良い子で父を案じていました。
心配のあまり、サンは単身部屋を抜け出すとサド世子の入れられた米びつを目指します。
ちょうど同じ頃、王妃が王様の居室前に膝まづいて世子を許すよう懇願していました。
穏やかで慈愛に満ちた妃らしい行動と見られていますがその直前に彼女が兵士と交わした鋭い視線が気になります。
一方、闇にまぎれて父に会おうとするサンは苦戦していました。
宮廷はとても広い上、行きかう人も多いのでなかなか辿りつけないのです。
必死になって父親の元を目指すサンはひょんな事から二人の子供と出逢いました。
彼らと意気投合?したサンは彼らと協力してようやくサド世子の元へ辿り着きます。
助け出す事はおろか、顔を合わせることも出来ないサド世子とサンの親子。
サンに出来るのは、父親が隙間から出した手を握る事ぐらいです。
遠のく意識の中、サド世子は息子に僅かな言葉を残しましたが
涙に咽ぶサンは返事も出来ません。
傍にいる二人の子供━━ソンヨンとテスがハラハラしながら見守ります。
親子の邂逅はあっという間で終わりました。
近づく人の気配にサンはその場を去っていきます。
涙、涙の別れの場面。
可哀そうで可哀そうで何度見ても胸が痛むのですが、この時の幼い三人の出逢いと生き様がその後このドラマの柱となっていくのです。
まとめ
さぁ、いかがだったでしょう?
ドラマに興味を持っていただけたでしょうか?
「イ・サン」は主人公サンが苦難に満ち溢れた境遇を得難い仲間と共に跳ね返し、強く賢く成長していく姿を描く素晴らしいドラマです。
この後、成長したサンは降りかかる苦難をどのように切り拓いていくのか?
初めて出来た友達との関わりは?
そして王妃のあの意味ありげな視線の意味は?
気になる続きは第2話以降でご案内しましょう。
それでは本日はこの辺で。