トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜16話(最終話)ネタバレあらすじ!

「高麗の男の花嫁になってくれ」

 

突然のプロポーズに驚くウンタク。

彼女の出した答えとは…?  

トッケビ16話ネタバレあらすじ

樹々が満開の花びらを降らせる中、ウンタクはシンを見上げました。

 

「…なるわ。侘しく絢爛な男の“最初で最後の”花嫁になる」
(これは以前「私は何番目?」と尋ねた時「最初で最後」と答えたシンの言葉を使っています)

 

涙を滲ませたウンタクにシンはそっと唇をあてました。

花びらの祝福

トッケビ最終話あらすじネタバレ

夜、ウンタクは空に向かって亡き母に結婚を報告します。

再び視えるようになった仲良しの幽霊とも再会し祝福を受ける彼女。

 

その後ウンタクはフィアンセとなったシンの先走りに少々振り回されました。

 

周囲に出没して外堀を埋めようとする守護神は、彼女の職場(ラジオ局)にまで乗りこみ自分の存在をアピールしたり相談なしでドクファに結婚を報告したり。

 

彼氏を紹介しようとした友人ユナは、大人げないシンの報復?で酷い目に遭いました。

 

「いつ結婚する?

土曜? 日曜?」

 

呆気にとられるウンタクですが、彼の暴走はドクファを前に加速するばかり。

呆れたウンタクが「いったいどうしたの?」とたしなめますがシンは

 

「他の若い男に取られない為だ」

 

と言い切りました。

急な話に戸惑ったのはドクファも同じです。

 

神に記憶を消された彼にしてみれば、突然現れた女性がシンの正体も自分の持ちビルも把握している“謎のチ・ウンタク”がシンの結婚相手だと聞かされたのですから当然でしょう。

 

それでも生来の性格で細かい事を気にしない御曹司はウンタクを自然に受け入れ、キム社長に喜ばしいニュースを披露します。

 

「おじさんが結婚するんだ。

だからその前にボクがしようと思う。彼女はたくさんいるし」

 

後見人としてドクファを見守ってきたキム社長は、ドクファを優しい目で諭しました。

 

「多ければ良いわけではありませんよ。

結婚するなら命を捨てても良いと思える人でなければ。そんな人はいますか?」

 

いないと言った若者は逆に尋ねます。

 

「キム社長は結婚したくないの?」

「私はもうしています。子供も3人」

 

仰天したドクファはどうして教えてくれなかったのか重ねて尋ねました。

キム社長は慈愛に満ちた目で答えます。

 

「私は待ってますよ」

 

いつの日か成長したドクファが大人の質問をしてくる…そんな日を、と。

親身になってくれる人がいる事を初めて知った御曹司は、晴れやかな笑顔を向けました。

 

「キム社長、もう少しだけ待って。僕が成長する日まで」

「はい」

 

父親のように笑うキム社長にドクファは手にもったコーヒーを掲げ、二人は乾杯したのでした。 

今生の別れ

トッケビ最終話あらすじ

式を急ぐシンにウンタクも同意し、二人は準備に取り掛かります。

ウェディングドレスを試着した花嫁を前にデレデレの守護神。

 

ウンタクは記念に腕時計を贈り、死神も二人を祝福しました。

 

時に厳しく、時に温かく死者を送り出す日々を送っていたワン・ヨは聴いていたラジオ放送に顔色を変えます。

 

『顔を見た瞬間分かったわ。

あなたも全てを覚えているって』

 

リスナーからの投稿がサニーの書いたものだと気づいたウンタクは慌てて家に向かい、別の場所にいたシンも急ハンドルを切りました。

 

『…どうか来世は口実が無くても逢えますように。

たった一つの名前を告げ合って… 全問正解の恋が出来ますように…

或る時はキム・ウビン、或る時はワン・ヨのあなた… 元気でね。 さようなら』

 

ウンタクは間に合いませんでした。

家にサニーの姿はなく、残されたのは一通の手紙だけ。

 

遅れて到着したシンにウンタクが訴えます。

 

「社長は全部覚えてた。不安定な私を支えながら消えたお兄さんを恋しがっていたんだわ」

 

妹が死神(ワン・ヨ)に出来る唯一の罰として姿を消したのだと悟ったシン。

サニーの名演技を見抜けなかった兄は花嫁と二人で哀しみを分け合います。

 

その頃サニーは陸橋で一人過ごしていました。

 

「前を通過する人数が50になったら街を出よう。1、2、…」 

「…48…、49…」

「1」

「?」

 

驚いた彼女は顔を上げ目を瞠ります。

 

「…2…、3…っ…」

 

すぐ傍に立ち涙混じりに読み上げていたのは…ワン・ヨでした。

彼女の意思を知り思い出の場所にやってきた彼は、余計な言い訳も引き留めもしませんでしたが、悲しみをこらえる事は出来ません。

 

ボロボロ零れる涙を見たサニーも声を詰まらせました。

 

「便りは出さないわ」

「今生ではもう逢わない」

 

うん、うん、と頷くワン・ヨはもう声も出せません。

 

「最後にハグしても良いかしら」

「…っ」

 

万感胸に迫った男が相手を引き寄せ抱擁します。

この世で最後のハグ。

 

「元気でね」

「元気で…」

 

二人はこうして別れました。

彼がサニーの消息を知るのは随分後になります。

 

悲しい別れの後帰宅した友人を、シンが不器用に慰めました。

肉食好きな彼がベジタリアンな親友に合わせて料理を作ります。

 

「食え。ウサギちゃんだぞ(←林檎)」

「サニーさんが去ってしまった…」

「…」

 

ワン・ヨは胸に抱いていた掛け軸(ソン)をシンに差し出しました。

 

「長い事預かっていた。

すまなかった。返すよ」

 

しかしシンは受け取りません。

 

「お前の後悔と恋しさだ。持ってろ」

「良いのか?」

9年間菩提寺で位牌の面倒を見てくれたと聞いた。感謝する」

「罪と向き合いたくて…」

「…誰かに言ってもらいたいものだな。“もう十分苦しんだ”って」

祝婚歌

トッケビ16話あらすじ

ワン・ヨは、パクに操られた事を悔やんでいた同僚の死神女性を呼び出し頭を下げました。

 

「900年前(王宮の女官だった)、君の手を借りて死んだ事を許してくれ」

 

確かめようはありませんが、彼は全能の神が考えた死神の存在理由に答えを出していたのです。

 

「前世で大罪を犯した(自殺した)俺たちがいつか自分を許し、“生きたい“と願った時、罪が許されるのかもしれない」

 

それを聞いた女性死神は嗚咽を漏らしました。

 

帰宅したワン・ヨは、ウンタクを呼び結婚祝いにと蕎麦のブーケを贈ります。

処理漏れとして生まれる前から関わってきた彼女を祝福し死神が言いました。

 

「君の人生は十分美しい」

 

贈られたブーケを持ったウンタクは思い出の蕎麦畑でシンと式を挙げました。

 

「死が二人を分かつまで 君の言葉に 何であれ ナドゥ」

「死が二人を分かつとも あなたの言葉に 何であれ ナドゥ」

 

夫婦となった二人の為、ささやかな宴席が設けられました。

出席者は主役二人に死神にドクファ、そしてキム社長です。

 

気を抜きまくりのトッケビと死神はキム社長の前で平気で力を発揮してしまい、常識人を気絶に追い込んでドクファに小言を喰らいましたが、平穏に浸りきっていた彼らは気にもとめませんでした。

最も哀しい選択

トッケビ最終話ネタバレ

シンと幸せな時を過ごすウンタク。

家庭も仕事も順調だった彼女は、偶然仕事に向かう死神の前を通りかかりました。

 

車の運転席から手を振るウンタクに応えた死神は傍にいた後輩から

 

「手元の名簿が無効になったそうです」

 

と報告を受けました。

幼い子供が多く命を落とすはずでしたから、死神も後輩もほっとした表情を浮かべます。

 

「どうして急に予定が変更したんでしょう?」

 

何気ない言葉でしたが聞いた途端死神の顔が強張りました。

走り去ったばかりの車を思い出した彼は、白く美しい顔から血の気が引いていきます。

 

「予定外の… 死だ…」

 

絞りだすような声に後輩が首をひねりました。

 

「そんなのあるんですか?」

 

ハンドルを握るウンタクは絶好調でした。

交差点の途中でシンから電話がかかっても、慌てずハンズフリーのでスマートに対応します。

 

『今どこだ?』

「運転中。右折する所よ」

『右折ってのは右だぞ?』

「分かってるって」

 

掛け合いを楽しむ彼女はそこで異変に気付きます。

大型トラックが暴走し左から迫っていると。

 

トラックを避ければウンタクは無事ですが、その先に停止中の幼稚園バスは避けられません。

 

「避けたら子供たちが…!」

 

幼い子供や運転手、教師らを目にしたウンタクはとっさにブレーキを踏みました。

 

「何を考えてるの?」

『どうした?』

 

会話中のシンが聞き返しますが、答えはありません。

 

「…」

 

時が止まったような永い一瞬が過ぎ、トラックは停まりました。

…ウンタクの車を大破させて…。

 

壊れた車内でシンの声が響きます。

 

『ウンタク! どこだ? 何があった!?』

「思えば完璧な一日だったわ。

全てがこの時に間に合う為だったのね」

 

ヒビ割れた窓の外に青空を認めた彼女は、前夜シンに言われた言葉を思い出しました。

 

 “おやすみ。 愛しているよ”

「ナドゥ(私も)…」

 

微笑みを浮かべた彼女の手は力を失います。

 

『ウンタク!!』

 

シンがその場を駆け出しました。

 

「人の犠牲とは神にも見通せない。それは人間だけが出来る選択だから…

神の問いに最も哀しい答えを出したな…、処理漏れ…」

 

死神の言葉に後輩がうなだれました。

無事だった人々を眺めるウンタクに優しい声がかけられます。

 

「チ・ウンタクさん…ですね?」

 

規定通りの言葉ですがワン・ヨの声は震えていました。

 

「どうかしてるって思いながら車を停めたの。怖かったわ」

 

涙ぐむ彼に儚い笑みを見せるウンタクです。

死神の茶房に招かれたウンタクは、今の人生が最初だと知り安堵します。

 

「よかった。あと3回残ってる」

 

バタン!

茶房に飛びこんできたシンを聖母の微笑みが迎えます。

 

「…っ…」

「覚えてる? 残された人はしっかり生きなきゃ。それが愛してくれた人への礼儀だって」

 

静かに語りかけ頭を撫でるウンタクにシンは縋りつきました。

 

「…どうして…っ、なぜこんな…」

「ごめんね、本当にごめんなさい…」

「うう、うっ、 あぁぁ…っ!」

 

泣きやまない守護神にウンタクが「願い事の最後の一つを叶えて」と言いだします。

 

「あまり苦しまないで。逢いに来るから待ってて。長く雨を降らせないで」

「なんで三つも言うんだ。君なしじゃ生きられない」

「少しの我慢よ。約束する。逢いに来るから待っていて。

来世では長生きしてずっと傍にいるわ。

そうさせてって神様にせがむから」

「…っ、…っ」

 

差し出された忘却のお茶をウンタクは断り、死神にも頼み事をしました。

 

「みんながいなくなった後…この人を頼みます」

 

死神が頷き、ウンタクは立っているのがやっとのシンに向き直ります。

 

「すぐ戻るわ。走っていって走って戻ってくるから」

「必ず戻れ。百年でも二百年でも待ってるから」

 

ウンタクは扉に向かいました。

 

「また。会おうね。」

 

パタリ

友人の前で号泣しその場に崩れ落ちるシン。

耐えがたい哀しみが永く続く雨となって街に降り注ぎました。

 

“愛し愛されたトッケビの花嫁、ここに眠る”

 

シンは自ら記した墓碑銘を思い出の岸壁で燃やします。

 

「もう、母親に会えたかしら」

 

どこかで産神が呟きました。

花嫁がいない日々

トッケビ16話ネタバレ

ウンタクを待つ日々が始まりました。

彼女のマフラーを巻いたシンはあちこちを巡ります。

 

思い出の中にいるウンタクは鮮明でした。

30年後、シンの傍にい続けたワン・ヨの罪が許されます。

 

死神として最後に届いた名簿に、彼は驚きました。

そこにあったのはキム・ソン(サニーの本名)だったからです。

 

「便りは出さないはずなのに…」

 

 

別れの時、死神はシンを茶房へと誘いました。

妹の姿を見せる為規則を破ると言うのです。

 

茶房で出迎えたサニーは昔と同じ若い姿をしていました。

 

「凄く逢いたかったです」

「だと思ってたわ」

 

無理やり嵌めてすみません、と死神が前世での非礼を詫び、指輪をつけてもらったサニーは素直な気持ちを口にします。

 

「私も逢いたかった」

「だと思ってました」

 

微笑み合う二人。

死神が外から見守っているシンの事を伝え、兄妹は最期の言葉を交わしました。

 

「兄上とお会いできて嬉しいです。また逢いましょう」

「幸せになれ、不器量な妹よ」

 

三回目の人生だったサニーと、自分の人生が何度残っているのか分からない死神。

来世での約束もままならない状況でしたが、二人は幸せそうに互いを見つめ、手を繋いで天への階段を昇りました。

 

見送ったシンは一人呟きます。

 

「花嫁も去り、妹も、友も去った」

 

一人になったシンは、その後ウンタクに逢う前の暮らしに戻りました。

以前と違うのは彼に心の拠り所が有る事です。

 

どんなに時間がかかっても果たされる約束を支えにシンは待ち続けました。

 

ドクファの孫が老人になった頃、シンは街中で寄り添う男女を見て足を止めます。

ワン・ヨとサニーの転生した姿だと察した彼は淡く微笑みました。

 

主君と妹が幸せな来世を共に過ごせるよう願っていた彼の望みが、叶えられたのです。

黙ってその場を後にしたシン。

 

孤独な彼の旅はいつ終わるのでしょう?

最初で最後のトッケビの花嫁

トッケビ16話あらすじ感想

その日シンはケベックにいました。

 

「散歩をなさるなら、表通りは避けた方がよろしいでしょう。

韓国から修学旅行の高校生が多く来ているので騒がしいです」

 

ドクファの孫からそう進言を受けた彼は、ユ一族の眠る丘に向かいました。

墓石にもたれて本を読むシン。

 

その後ろから人影が近づきます。

 

「見つけた」

 

手にしたタンポポをかざした少女は明るい笑顔を弾けさせました。

 

「哀しい愛」

「!」

 

声が聴こえた途端、シンは振り返ります。

立ち上がった彼の目に涙が盛り上がりました。

 

「おじさん、私が誰か分かる?」

 

零れる涙をそのままにウンタクそっくりの少女が問いかけるとシンは答えました。

 

「最初で最後の トッケビの花嫁」

 

泣き笑いの少女とシンは、笑顔でいつまでも見つめ合うのでした。

トッケビ16話感想

主演のコン・ユは、このドラマを「哀しい愛の物語。決してハッピーエンドではない」と話しました。

 

確かに永遠を生き続けるシンは、転生回数に限りがあるウンタクと逢えなくなる時が来ますから、そういう意味ではハッピーエンドと言えないのかもしれません。

 

けれどウンタクが話した通り、人は誰でもいつか死ぬのですからどんなハッピーエンドでもいつか「終わり」は来ます。

 

「幸せに暮らしました」

 

の結末を迎える童話も同じで、皆いつか消えるのですから、私はシンだけを哀しいとは思いません。

 

例えば13話でシンが消えた後、記憶を失ったウンタクがワケも分からず心を病ませてしまった状態でエンドマークを迎える結末だったり、誰もいない世界でシンが独りぼっちで彷徨い続ける…なんて終わり方でしたら完全にアンハッピーエンドだと思います。

 

でも主役二人が試練を乗り越えた末に再会し、片方が死別した後も転生して再会するという展開は、それだけで十分幸せ…いいえ、とても幸せではないでしょうか。

 

一回きりしか逢えないのに4度も逢えるわけですから。

こんな幸せな結末を見られて良かったと私は思っているのですが、あなたはどう思います?

まとめ

トッケビ最終話ネタバレ感想まとめ

このドラマは私にとって最上級の作品となりました。

見終わって直ぐ、初回を見返したくなる中毒性()が素晴らしい。

 

絶妙な言葉遊びを筆頭に、ズバ抜けたレベルで喜怒哀楽を揺さぶってくれた制作陣、特に俳優陣にはスタンディングオベーションを贈りたいです。

何度も笑ったり泣いたりしながら生きる意味について考えさせてもらいました。

 

胸を打つ台詞の多い中、特に印象的なのがヒロインのものです。

 

「たとえ明日死ぬ運命だとしても精一杯今日を生きなきゃ」

「しっかり生きていく事が愛してくれた人への礼儀よ」

「人はいつか死ぬけれど、だからこそ人生は美しい」

 

ウンタクの台詞は私に清々しい勇気をくれました。

もちろん他の人々の言葉も見習いたいものばかり。

 

この作品はこれからも私のバイブルになると思います。