トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜1話ネタバレあらすじを感想付きで紹介!

ドラマ『トッケビ』の世界にようこそ!

このドラマは2016年の秋に放映された超オバケ番組です。

 

始まった当初から視聴率が高くケーブルTVでは異例の20%超えをマーク。

放映している最中から「終わらないでほしい」「もっと見ていたい」といった声が数多く寄せられたそうです。

 

映画かと思わせる美しい映像、練り上げられた脚本と小気味よい演出は文句のつけようがなく、数年経った今も鮮やかな光を放ちます。

 

  • 「歴史物しか興味がない」
  • 「ドロドロした恋愛物は苦手」
  • 「思いきり笑えるコメディが見たい」
  • 「SFファンタジーが好き」
  • 「泣けるほど切ないラブストーリーはないかしら」

 

と迷っている皆様、全部入ってる『トッケビ』がおすすめです!

韓国が生んだファンタジーの金字塔を一緒に堪能しましょう!

【トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜1話】ネタバレあらすじ

高麗(コリョ)時代

武人キム・シンは彼を恐れた王に謀反の罪を着せられ無念の死を遂げました。

王宮に一人乗りこんだシンは目の前で一族を殺された挙句、愛剣で胸を貫かれたのです。

 

何度も国を守った常勝将軍の死。

民衆は嘆きますがその遺体は埋葬すら許されず畑に捨てられました。

 

数十年経ったある夜、錆びてボロボロになった大剣に白い蝶が舞い降ります。

蝶は告げました。

 

“人の血を吸った剣はトッケビになる。

戦場で多くの血を浴び、持ち主の血にまで染まったのだから無理もない。

トッケビの胸から剣を抜けるのはトッケビの花嫁だけ。

剣を抜けば無に帰し、安らかになるだろう。“

 

それは蝶に姿を借りた神の言葉でした。

こうしてシンは復活します。

不滅の生をもつトッケビとして。

 

トッケビ

韓国独自で広く知られた架空の存在です。

日本語で“鬼”と訳されますが、日本の鬼のように怖くはありません。

神様のように不思議な力を持っていて見た目は人間と同じ。

物が変化してトッケビになるので年は取りません。
(元が箒(ほうき)である事が多い)

いたずら好きで賭け事も大好き。好物は肉と蕎麦。

馬の血が大嫌い、というか怖い。

 

座敷童か福の神のような力があるので傍にいる者に富をもたらします。

近代

トッケビ1話ネタバレあらすじ

復活したシンは長い年月を過ごしました。

不思議な力を持つ彼は気まぐれに人々を救うこともありましたが、シン自身は愛する人を見送るばかりの生に苦しみます。

 

どの死も忘れることが出来ないシンにとって生きる事が罰でした。

死を望んだシンは“安らかになる”為に剣を抜こうとしましたが、どうしても出来ません。

 

お告げの通り“剣を抜けるのはトッケビの花嫁のみ”なのでしょう。

シンは世界中を放浪して花嫁を探しました。共に生きる為ではなく、死ぬ為に。

現代(1968年)

靄のたちこめる町に黒一色の影が一つ現れます。

やたら麗しい顔立ちの男(イ・ドンウク)。

 

白い肌、赤い唇をもつ彼の正体は“死神“でした。

 

死者を出迎え冥途へ送り出す業務を受け持つ死神は“神様直属の公務員”です。

黒い帽子は特別のアイテムで、これを被れば死神は死者にしか見えません。

 

死者は迎えに来た死神によって天国か地獄へと送り出される事になっていました。

 

死神の“業務”は氏名や年齢、死亡日時などが記された名簿を手に死者を確認する事と、茶房で死者に“忘却のお茶”をふるまう事。

 

このお茶は人間の現世の記憶を消してくれる力がありました。

 

生きている人には見えない死神の茶房ですがトッケビには見えます。

故国に戻ったばかりだったシンは偶然そこを見つけ、中にいた死神も気づきます。

 

「…トッケビ?」

「死神か。 趣味の悪い帽子だ。」

「……!」

 

自慢の帽子をけなされた男は白い頬を引きつらせましたがシンは意に介さず立ち去り、死神は怒りに口元をゆがませました。

 

不老不死の男二人の、これが初対面です。

互いの第一印象は…控えめに言っても最悪でした。

 

故国に戻ってきたシンをユ家の子孫が出迎えます。

忠実なユ・シヌを見て暗かったシンの目が和らぎました。

 

「旦那様(ナウリ)。 二十年ぶりにお目にかかります。お元気でしたか?」

「ああ。そなたは変わりないか?」

「わたくしは年をとりましたが旦那様は変わらず色男でございますね。」

 

ここで小さな男の子が

 

「この人そんなにカッコいい?」

 

と口をはさみました。

ユ・シヌの孫ドクファです。

 

「コラ。旦那様にご挨拶をしなさい。」

「誰なのコイツ。なんか怪しいんだけど。」

 

小生意気な5歳の子供にシンは笑いかけました。

 

「私は火であり水であり光であり影である。

そしてそなたの叔父、兄、息子、孫にあたる者だ。」

 

「なんだよそれ。ワケわかんない。」

「コラ! 申し訳ございません旦那様。」

「気にするな。そなたの一族に失望した事は一度もない。」

 

憤慨するユ・シヌをシンは笑いながらなだめましたがドクファの暴言は止まりません。

 

「なんで爺ちゃんにタメ口なんだよ。殺すぞ。」

「ッ!! なんて事を!!」

「いいのだ。」

 

不信感を膨らませる子供に向かい、シンは言葉を続けました。

 

「“次”はそなたか。よろしく頼むぞ。」

 

シンが非業の死を遂げた時、生き延びたキム家の家令(執事)だった男がユ・シヌの先祖でした。

ドクファに会ったシンはトッケビとして復活した夜のことを思い出します。 

高麗(コリョ)時代

トッケビ1話ネタバレ

復活したシンは驚く家令と孫息子を残し、その場を離れました。

向かったのは王宮殿。

 

自分と一族を殺した若い王と王をそそのかした側近がいる場所でした。

突如現れたシンに狼狽した側近はトッケビの力で首を掴まれあっけなく死にますが

 

もう一人の仇である王はすでに亡くなっていました。

安置された王の遺体を前にシンは立ち尽くします。

 

「来るのが遅すぎた…」

 

と。

 

失意のシンに追い打ちがかかります。

畑に戻ったシンが見たのは死を迎えた祖父を小さな手で埋める幼い孫の姿でした。

 

“愛する者の死を見届け続けよ

これは多くを手にかけた罰だ ”

 

「そなたが私の最初の罰になるのだな…。」

 

忠実な家令の死を悲しむシンはろくな声もかけず復讐に向かってしまったと自分を責めました。

そんなシンに向かい、幼い孫は祖父に代わって仕えたいと申し出てくれました。

 

「こんな私に仕えてくれるのか…?」

 

こっくりと頷くその子によって救われたシンは彼を連れて故国を離れます。

海のかなたを目指し旅立った主従はその後も固い絆で結ばれ続けたのでした。 

現代(1968年)

シンはビールを手に高層ビルの看板に座って夜景を見下ろしていました。

市街地の音が届く中、彼はある声に気づきます。

 

「誰か助けて…お願い、どうか、この子だけでも…」

 

途切れ途切れの声は事故で瀕死になった妊婦のものでした。

必死さにうたれたシンは掟を破り、命を助けます。

 

その後生まれた赤ん坊には霊感が備わっていました。

首の後ろにあるアザのせいだと思った母親は赤いマフラーで娘の首を覆いますが、幽霊が見える不思議な力は消えませんでした。

現代(1979年)

シンに助けられた親子は幸せに暮らしましたが、娘が9歳の誕生日に悲劇が起こります。

ケーキを用意した母親を見た娘のウンタクはロウソクに火を点けた瞬間、相手が幽霊だと見抜きました。

 

「ママ、死んじゃったの?」

「やっぱり幽霊が見えるのね。」

「見てはいけないものが見えてごめんなさい。でも幽霊が見えるから最後にママに会えた。」

「そうね。ママも嬉しいわ。でもこれからは幽霊と目を合わせてはダメよ。」

「心配しないでママ、絶対に天国に行ってね。」

 

孤児になったウンタクは、その直後死神に出会います。

事故で死ぬ運命だった親子は“処理漏れ”と呼ばれ、行方を探されていたのです。

 

冥途に連れていかれそうになったウンタクを三神(サンシン…日本でいう産神様)が庇い、彼女は難を逃れました。

 

全ての人間に生を授けてきた産神は、お気に入りのウンタクを死なせたくなかったのです。

死神から逃げる方法を教えられたウンタクは不思議なお婆さんに従って親戚の元に身を寄せ、成長する事になるのです。

現代(1989年)

トッケビ1話あらすじ

親戚に引き取られたウンタクは19歳になりました。

親身になってくれる人が一人もいない彼女は逞しく生きますが、叔母の家で散々な目にあっていました。

 

辛さに耐えかねたウンタクは、母の残したマフラーを巻き堤防に出かけます。

持ってきたケーキにロウソクを立てて火を灯したウンタクは声を張り上げました。

 

「お願い神様、叔母さん達を何とかして下さい!!

アルバイトが見つかりますように! あと彼氏もよろしく!」

 

涙交じりの祈りは遠く離れたシンに届きます。

 

「…?」

 

唐突に聞こえた声にシンが戸惑いましたが、彼の身体を包んだ白い煙は一瞬で彼をウンタクの元へ運びました。

 

「呼んだのは君か?」

「呼んでない」

「どうやった?」

「だから呼んでないってば」

 

初めて言葉を交わした二人ですがお互いの会話は噛み合いません。

シンの事をランプの魔神のように考えたウンタクは自分の願いを叶えるよう訴えますが「500万ウォン都合して」の言葉に呆れたシンは、その場から消えてしまいます。

 

家に帰ったシンはそこで死神に再会しました。

 

「知った顔だな。」

「そのようだ。」

「何故私の家に?」

「お前の家?」

 

疑問は現れたドクファによって解かれました。

散財が過ぎたせいでカードを停められた彼が、もうすぐ故国を離れるシンの家を賃貸に出し、小遣いを稼ごうと企んだのです。

 

初対面から犬猿の二人は同居などまっぴらでしたが、シンが近日中に海外に行ってしまう事もあって期間限定で一緒に住む事に同意しました。

 

その後もシンはウンタクによって何度も呼び出されます。

火を吹き消すと彼が出現する事実にウンタクが気づいたからでした。

 

場所も時間も問わず呼ばれるようになって困り果てたシンにウンタクに尋ねます。

 

「おじさん、もしかしてトッケビ?」

 

簡単に言い当てられたシンは平静を装って否定しました。

 

「違う。君こそ何者だ?」

「私ね、こう見えて“トッケビの花嫁”なの。」

「!」

 

探し求めていた花嫁だというウンタクにシンは驚きます。

 

「…証拠は?」

「ほら、ここ、この辺にアザがあるでしょ?

幽霊たちが私の事を“トッケビの花嫁”って呼ぶんだけどそれってこのアザのせいだと思うの。」

「……」

 

アザを見たシンはウンタクが以前救った妊婦の娘だと気づきました。

あの夜助けた女性のお腹にいた赤ん坊が目の前にいる娘だと。

 

「証明しろ。私を見て何が見えるか答えるんだ。」

 

シンはウンタクに尋ねます。

剣が見えるなら花嫁決定ですがウンタクには見えないようでした。

 

「私はトッケビではないし君も花嫁じゃない。今後は用もないのに呼ぶな。」

 

シンはそう言ってその場を離れますがウンタクは食い下がり、彼の後を追いかけます。

ドアを開けて空間を移動する事が出来るシンは彼女に構わず歩きだしました。

 

別の空間へと進めば誰もついてこられないからです。

 

ガチャリ。

扉を開けたシンの身体は次の瞬間何百キロも離れた場所についていました。

 

「……」

 

騒がしい女子高生を振り払ったシンは気を取り直して歩きだします。が……

 

「ちょっと!! まだ話は終わってないって…、…あれ?」

 

聞き覚えのある声にシンは飛び上がりました。

 

「!! な…っ、なんで…?」

 

なんとウンタクがそこにいたのです。

今まで誰も出来なかった事をあっさりやってのけた娘にさしものトッケビもパニックを起こします。

 

「どどど、どうやってここに?」

「ええっと、おじさんを追いかけて、ドアノブを握って、回して、押しただけよ。

ところでここってどこ?」

「……カナダ」

「かなだ? カナダって…、ええー? カナダって楓の国旗の? オーロラの?」

「……いったい君は何者なんだ…」

「ここがカナダだっていうのなら… 私決めたわ!」

「…な、何を」

「おじさんと結婚する! 花嫁になってあげるわ!

だってこんな事が出来るおじさんはトッケビに違いないもん!

愛してる!」

 

あっけらかんと笑いかけるウンタク。

 

「………」

 

シンはそんな彼女を呆然と見返しました。 

トッケビ1話の感想

いやもう何ていうか、第一話はドラマの醍醐味が詰まった内容ですね。

 

話の展開がスピーディなのにスムーズで見る物、聴く音、すべてが心地よく感じました。

キム・シンを演じるコン・ユさんが素晴らしい。

 

監督他男性スタッフから

 

「立ってても座っててもカッコいい。腹が立つ」

 

と言われた彼の姿は生ける目の保養です。

まとめ

『トッケビ』第一話は壮大なドラマのモノローグなので、他より長い90分越えの回でした。拙いご紹介でしたが如何だったでしょう?

ラストシーンを撮影の初めにしたという異例のこの作品は最初からブレない演出がなされていたと思います。

 

悲劇の主人公シンと不遇なのに前向きな19歳の女子高生ウンタクの二人を制作スタッフがどう料理するのか。

不思議で哀しい愛の物語は始まったばかりです。

 

この続きは第二話で。